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Posted by 滋賀咲くブログ at

病室の天井

2010年09月10日

病院の夜は早い。
午後9時を過ぎると消灯。
普段、セミナーの準備等で
午前1時近くまで起きている身にとっては、
この時間はまだまだ就寝する時間ではない。
治療が無事終わった夜、
病室のベッドに横になり、
私はしばらくの間、天井を見上げていた。

今回入院した病院は、
奇しくも父が約10年前に
人生の最期を迎えたところ。
父は最期を迎えるその日々を、
病室のベッドの上で
どのように過ごしたのだろうか。
毎日、病室の天井を見ながら
何を思い、何を考えていたのだろうか。

父はよく自宅に帰りたがっていた。
残念ながらその望みを
かなえてやることはできなかった。
いや、最後は無理を承知で
我々家族は自宅に帰すことに決めていた。
それがどのような結果になるかは、
承知の上でのことである。
そして、明日には退院して自宅に
帰ろうかという日に、
父は安らかに息を引き取った。
付き添っていた母が気付かないほど
穏やかな最期だったという。
自宅に帰ると母の負担が増えてしまう。
父の母に対する最後の思いやりだった。

私もいつか将来、父と同じように、
この病院の天井を見上げながら
最期を迎えるのだろうか。
その時、私は何を思い、何を考えるのだろうか。
そんなことを考えながら、
私はしばらく病室の天井を見上げ続けた。
  


Posted by プリケ at 00:08Comments(0)ひとり言