スノーフレイクの夜
2010年12月24日
「もう一緒にいることはできないの」
君からの突然の言葉だった。
今宵、街は艶やかな
イルミネーションに彩られる、
クリスマス・イブ
行き交う人々の表情も
今夜は笑顔で満たされている
大きなプレゼントを抱えて
足早に電車に乗り込む人。
お洒落なレストランで、
センスの良い衣服を身にまといながら
楽しそうにおしゃべりするカップル。
駅前のお店でケーキを買うお父さん。
みんな、それぞれの幸せを噛み締めている
僕もポケットに
君へのプレゼントを忍ばせていた
初めてのボーナスで買ったペンダント。
君の好きだったクマがデザインされたもの
君の胸に輝くはずだったのに、
それが今、僕の手の中にある。
僕はそっとポケットから
そのペンダントを出した。
「あれ?僕を包み紙から出してくれるのは、
彼女のはずだったよね?」(クマ)
「ごめんね。君が輝く場所、
なくなってしまったよ」(ボク)
灰色の空から雪が舞い降りてきた。
気付けば、
スノーフレイクの夜になっていた。
その雪のひとつが
クマの瞳に舞い落ちた。
溶けて流れるその様は、
まるで涙のようだった
ひとりぼっちのクリスマス・イブ
いや、行き場の失ったクマも
一緒だった。
僕はクマにそっとささやいた。
「メリークリスマス」
君からの突然の言葉だった。

イルミネーションに彩られる、
クリスマス・イブ

行き交う人々の表情も
今夜は笑顔で満たされている


足早に電車に乗り込む人。
お洒落なレストランで、
センスの良い衣服を身にまといながら
楽しそうにおしゃべりするカップル。
駅前のお店でケーキを買うお父さん。
みんな、それぞれの幸せを噛み締めている

僕もポケットに
君へのプレゼントを忍ばせていた

初めてのボーナスで買ったペンダント。
君の好きだったクマがデザインされたもの

君の胸に輝くはずだったのに、
それが今、僕の手の中にある。
僕はそっとポケットから
そのペンダントを出した。
「あれ?僕を包み紙から出してくれるのは、
彼女のはずだったよね?」(クマ)
「ごめんね。君が輝く場所、
なくなってしまったよ」(ボク)
灰色の空から雪が舞い降りてきた。
気付けば、
スノーフレイクの夜になっていた。
その雪のひとつが
クマの瞳に舞い落ちた。
溶けて流れるその様は、
まるで涙のようだった



いや、行き場の失ったクマも
一緒だった。
僕はクマにそっとささやいた。
「メリークリスマス」

