夕暮れの空が好きだった君
2010年08月23日
穏やかな波が打ち寄せる浜辺だった。
秋の息遣いが少しずつ聞こえ始めた晩夏の夕暮れ。
水平線には柔和な表情になった陽が沈みつつあった。
「1年間、少し遠いところに行ってくる」と私。
「えっ?!それじゃあ、しばらく会えないのね」
と言った君。
その時の表情は、今でも忘れはしない。
「うん。でも、1年なんてあっという間だよ。
必ず君のところに帰ってくるから」と私。
「わかったわ。
そうね、1年なんてあっという間ね。。。
男は船で、女は港なの。
港は帰ってくる船をいつでも優しく迎え入れる。。。
だから、きっと帰ってきて」と君。
あれからたくさんの季節が
駆け抜けていった。
夕暮れの空が好きだった君。。。
きらきらとした瞳で夕暮れの空を
見上げていた君。。。
遠い遠い夕暮れの晩夏の思い出。