父が残してくれた「七字のうた」

プリケ

2012年06月10日 16:10

父が亡くなり、もう11年になる。

先日、部屋を掃除していたら、
机の引き出しの奥の方から
一枚の紙が出てきた。
そこには父の字で、
以下のような言葉が
記されていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
弱音を吐くな
 くよくよするな

後ろを向くな
 泣きごというな

一つを願い
 一つを仕上げ

花を咲かせよ
 良い実を結べ

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思いもかけない父の残した言葉だった。
そんなものが残されていたなんて、
この11年間、全然知らなかった。
この言葉は詩人、坂村真民(しんみん)さんの
「七字のうた」という詩の一部分。
原文では、「なきごというな
うしろをむくな」の順番だが。。。

上記の詩をひらがなで書くと、
それぞれが七字となる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
よわねをはくな
 くよくよするな

うしろをむくな
 なきごというな
 
ひとつをねがい
 ひとつをしあげ

はなをさかせよ
 よいみをむすべ

すずめはすずめ
 やなぎはやなぎ

まつにまつかぜ
 ばらにばらのか

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最後の四行を
父は書き残していなかった。

雀は雀
 柳は柳

松に松風
 薔薇に薔薇の香



これは私は私であり、
ありのままであればよい、
というような意味だろうか。


いずれにせよ、
この言葉を父はいつ書いたのだろう。
どのような気持ちで残したのだろう。
父の死に目に会えなかっただけに、
この言葉はよけいに心にしみる。


偶然見つかった父の
残してくれたこの言葉を
大切にしていこうと思う。

今打ち込んでいる仕事に対して、
自分なりの色を出しながら
一生懸命に誠実に取り組み、
そして、花を咲かせ、
良い実を結んでいければと思う。


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