何をすれば相手に心地良さを感じてもらえるかを常に考える
研修ではマナーについてお話しすることも
多々あります。
ただし、私のマナー講座は応接室の席次や
名刺の受け渡し方、電話のかけ方・受け方等の
内容ではなく、そのベースに持っていなければ
ならないものについてお伝えし、
考えてもらうようなものです。
このブログで何度も書いていますが、
いわゆる自転車の両輪の内の
後輪の部分です。
前輪が「ノウハウ・やり方」であるならば、
後輪は「人としてのあり方」です。
前輪は一定期間、一生懸命に取り組めば
マスターすることができますが、
後輪は一朝一夕にはいきません。
日常の積み重ねこそが大切です。
そのための最低限の基本は「本物の挨拶」を
しっかりと継続することです。
適当な挨拶をする人は多いですが、
相手に配慮し、明るく、元気に、
心を込めて挨拶できているでしょうか。
マナーというのは、自分がされて嫌なことは
相手にもしない、自分がされて心地良いことを
相手にもどんどんするということ。
つまり、何をすれば相手は喜んでくれるだろう、
心地良さを感じてくれるだろうと
常に意識しておくことが大事です。
たとえば、最近こんなことがありました。
私が住んでいるマンションは何年かに1回、
修繕工事を行います。
現在も進行中なのですが、
その現場では蒸し暑い中、さらに今はコロナ禍という
通常ではない非常時における作業になっています。
そのような中で、作業員の人達に私個人でできることは
限られていますが、何をすれば喜んでもらえるだろうと
考えてみました。
方法はいろいろあると思いますし、
同じマンションの住民の方々も
おそらくそれぞれ工夫されていたのではないかと思います。
お金を払っているのだから当然なんて気持ちではなく、
この暑い中、そしてコロナ禍の中、
お疲れ様、ありがとうございますという気持ちを
少しでも伝えたいと思いました。
そこで私が実践したのは、まずは前述の「本物の挨拶」を
継続しました。明るく、元気に、笑顔で「おはようございます!」、
「今日も一日、お疲れ様でした!」というような言葉です。
さらに、何かできないかを考えました。
ご存知のように工事中は黒っぽい幕でマンションをおおって
作業が進められます。足場を組んでベランダの補強・修繕も
行われます。
そこで、アイデアが一つ浮かびました
そうだ!このベランダで作業をされる時、
必然的に窓にも視線が向けられます
であるならば、そこにメッセージメモを
貼っておいてはどうかということです。
私が残したメッセージは概ね以下のようなものです。
<このような状況下、いつもありがとうございます!
どうぞお怪我のないようくれぐれもご注意ください>
このような文言だったと記憶しています。
はたしてどれぐらいの作業員の方がこのメッセージを
見てくれたのかわかりませんし、
どのような感想を持たれたのかもわかりません。
ただ、もし私が作業をしている立場だったら、
きっと嬉しいと思います。
もしかすると、自己満足なのかもしれませんが・・・。
このように、何をすれば相手に心地良さを感じてもらえるか、
そういうことを常に考える習慣をつけておくことは
とっても大事だと思います。
難しいことではないですよね。
コミュニケーションの新しい技法でも何でもないし、
ほんのちょっとした心がけです。
そういう当たり前のことを当たり前に
意識せずに継続して行っていくことが
周囲とうまくやっていくコツの一つだと思います。
これこそ自転車の後輪ですよね。
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