フルトヴェングラー指揮の「運命」
大指揮者フルトヴェングラー。
彼のベートーベンは、
やはり格別だ。
フルトヴェングラーが指揮する
ベートーベンの交響曲第5番「運命」は、
数多く発売されているが、
私はこれまで古い録音ながら、
彼のナチスへの加担容疑が晴れた後の
1947年5月27日のライブCDを
よく聴いていた
ところが、その2日前、
戦後初めてベルリン・フィルを指揮した
同年5月25日のライブCDが
含まれるBOXが昨年、発売された。
その後、その中から、
交響曲第6番「田園」と
カップリングされたCDが分売された。
ベートーベンの交響曲第5番「運命」は
クラシック音楽を聴かない人でも
知っている超有名曲
このたび、前述のCDが発売されたことを
きっかけに、所有している「運命」を
あらためて聴き比べてみることにした。
聴いたCDは下記のとおりだが、
基本的に、私はベートーベンの交響曲は
古楽奏法を取り入れた演奏や
ピリオド楽器による演奏はあまり好まない。
やはり、堂々としたスケールの大きい
従来からのイメージの演奏を好む。
●カルロス・クライバー&ウィーン・フィル
●フルトヴェングラー&ベルリン・フィル(47年5月27日)
●フルトヴェングラー&ウィーン・フィル
●チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル
●チェリビダッケ&シュトゥットガルト放送響
●イッセルシュテット&ウィーン・フィル
●ジュリーニ&ミラノ・スカラ座フィル
●カラヤン&ベルリン・フィル(70年代)
●カラヤン&ベルリン・フィル(80年代)
●バーンスタイン&ウィーン・フィル
●アバド&ウィーン・フィル
●ティーレマン&フィルハーモニア管
●クレンペラー&バイエルン放送響
●ベーム&ウィーン・フィル
●クーベリック&ボストン響
●ケーゲル&ドレスデン・フィル
●宇野功芳&東京フィル
あらためて聴いてみると、
当然のことながら指揮者によって
音楽のイメージが違う
スリリングでたたみかけるような
クライバーは代表的な名盤の
一つだろうし、カラヤンの流麗な
サウンドも素晴らしい。
聴いた後の爽快感はこの上ない。
しかし、私はスマートでなくてもいいので、
もう少しゆったりとした重厚な響きを好む。
そういう意味ではクレペンラーか。
また、今回聴いてはいないが、
朝比奈隆や私の好きな
クリスティアン・ティーレマンは
その路線の演奏だ。
「運命」は超有名曲だけに
発売されているCDも数多い。
ショルティ(旧盤)やオーマンディ、
ライナー、トスカニーニ等、
往年の巨匠達の演奏も聴いてみたい。
今、最も聴いてみたいのは、
最近発売された
ティーレマン&ウィーン・フィルの演奏。
ティーレマンはフィルハーモニア管との
演奏もあるが、今回はなんといっても
ウィーン・フィル!!期待大
さて、上記CDに加えて先日、
前述のフルトヴェングラーの
47年5月25日のライブCDを購入し、
早速、聴いてみた
こ、これは凄い!!
モノラルのため、音は現在の
デジタル録音に比べるまでもない。
しかし、この圧倒的な響きはどうだろう。
押し寄せる魂の音!!
有機的な音符の洪水!!
緊迫感あふれる力強い響き!!
こんな演奏、現代では難しいだろうな。
当然ながら、5月27日盤との
優劣なんてつけることはできない。
いずれも魂の叫びである。
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