10円玉の行方

プリケ

2020年02月22日 10:23

まもなく通勤電車の下車駅だ。
電車を降りてからバスに乗る。
京都市バスは230円。
財布の中を覗いた。
10円玉が4枚入っていた。
この4枚は2日前から一緒だった。

その中から3枚取り出す。
残る1枚が寂しそうな表情を見せた。
これまでいろいろな人たちの手を渡り歩き、
何かの縁で僕の財布で一緒になった4枚。
でも、今日でお別れだね。

取り出された3枚の10円玉:
僕たちは今日から京都市バスに乗る。
今は一緒にいるけれど、
バスに乗ったらお釣りや両替で
バラバラになってしまう。
また、たくさんの人たちの財布に
入ることになるだろうけれど、
もしかするとまたいつの日か
君に巡りあうことになるかもね。
それまで元気で!!


残された10円玉:
うん、ありがとう!!
2日間、みんなと一緒にいられて楽しかった。
僕もいつまでこの財布にいるか
わからないけれど、
またいつか会えるといいね。
みんなも元気で!!



同じ日の夕方、残された10円玉も
京都市営地下鉄の券売機に旅立った。


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